
経済の不調が続く日本において、岸田政権が掲げる『資産所得倍増プラン』や、総理の「貯蓄から投資へ」という発言、そして自民党が提言する「一億総株主化」に注目が集まっています。そのようななか、投資は今後さらに注目を集めていくと思われます。
しかし、それについて詳しくない一般の人々から見れば、投資は決して簡単なものではありません。特にその投資によって着実な利益を上げようとすればなおさらです。
投資の代表例のひとつである不動産投資でも、それは同様です。不動産投資で家賃収入による不労所得を目指しても、結果、毎月赤字を生み出すだけになるケースもよく見られます。
そこで今回は、不動産投資において、毎月赤字が出てしまう理由や、それを避けて利益を出すための方法について説明します。
また、不動産投資で赤字を出し続けてしまった時に発生する問題や、そのような赤字問題で困った時の対処方法についても解説していきます。
不動産投資で毎月赤字が出る理由

ここでは、不動産投資で毎月赤字が出る理由について、以下でまとめて解説していきます。
【そもそも違反】住宅ローンで不動産投資をしているから
まず1つめの理由として、住宅ローンで不動産投資をしているからです。
そもそも住宅ローンは、住宅建設のために作られた融資です。そのため、住宅建設に使うことが前提となっています。
しかし、現在では、住宅ローンを不動産投資のために使う人が増えています。そのような使い方は、住宅ローンの利用規約では違反となるため、金融機関からしたら、まったくもって好ましいものではありません。
そのため、住宅ローンを使って不動産投資をしている場合は、必ず金融機関から契約違反としてローン借り入れを取り消される危険があります。
もちろん、利益よりも住宅ローンの支払いが上回ってしまえば、赤字になることは明らかです。
空室
2つめの理由としては、空室の存在です。
不動産投資では、賃貸住宅を建てて家賃収入を得ることが目的です。しかし、その賃貸住宅が空室になってしまうと、その分の家賃は入ってきません。
また、空室になってしまった場合、その部屋を借りる人が見つからなくなってしまうと、長期的にはその物件自体を売却しなければなりません。売却する際には、売却額が買い取り額よりも下回るケースが多く、それもまた損失となってしまいます。
減価償却
3つめの理由には減価償却がからんできます。
減価償却とは、資産を使用していくにつれて、その資産の価値が下がっていくことです。不動産投資では、建物の一部を融資で購入した場合、その建物の価値が下がっていくことで、減価償却が発生してしまいます。
そのため、減価償却で赤字となってしまう場合は、家賃収入でその赤字をカバーすることができなければなりません。
ただし、減価償却は帳簿上では赤字となってしまいますが、それは実際には現金を支払っているわけではないため、キャッシュフローには問題がなければ問題ありません。
ただし、減価償却によって赤字となってしまった場合、その赤字が毎月続くと、あるいは赤字が増えていくと、そのうちにキャッシュフローに問題が生じてしまいます。
オーバーローン
4つめの理由はオーバーローンです。
「オーバーローン」とは、住宅購入や注文住宅を建てる際に、物件の価格以上の融資を受けることです。現在、住宅ローンの金利は非常に低く、これに乗じて、物件価格に諸費用を上乗せした額の借り入れを考える人が出てきています。
こうしたオーバーローンをしてしまうと、返済ができずに滞納してしまう危険が高まります。
また、オーバーローンは金融機関からしたら、契約違反であり、まったく好ましくないものです。そのため、オーバーローンをしてしまった場合は、金融機関から契約違反としてローン借り入れを取り消される危険があります。
もちろん、利益よりも住宅ローンの支払いが上回ってしまえば、赤字になることはいうまでもありませんん。
不動産投資で利益を出すには?

では、不動産投資で利益を出すためには、どのようなことをするべきでしょうか?以下、これについてまとめていきます。
空室を埋める
上でも述べたように、空室があることは家賃収入の低下を招くだけでなく、投資した物件の資産的価値を下げる面もあります。
まず何より、空室を埋めることを考えることが必要です。この時、その投資物件を購入した不動産会社が協力的かどうかは、よくチェックしておきましょう。
売却益を得られるか検討する
家賃収入による長期的な不労所得は魅力的ですが、物件を持ち続けることがリスクになることもあります。
もしその物件を売却することによって、利益が得られるのであれば、売却するのも一つの手です。
この時も、不動産会社が売却に協力的かどうか、よく見ておきましょう。
キャッシュフローを見直す
不動産経営においては、修繕費や固定資産税などの見通しが甘いと赤字になってしまいます。これは、不動産投資では、良くあることでもあります。
このような場合には、早急にキャッシュフローを見直して、現実的な見通しを立て直しましょう。ここでもまた、不動産会社の協力が得られるかどうか、ポイントです。
不動産投資で赤字を出し続けると起こること

不動産投資における毎月の赤字の原因とその回避方法について述べてきましたが、それらの対策も虚しく、赤字を出し続けた時にはどのようなことが起こるのでしょうか?ここでは、これについてまとめていきます。
物件の価値が下がってしまう
物件の資産価値は、経営状況に大きく左右されます。
そして、その経営状況が良くないと、資産価値も下がってしまいます。つまり、赤字が続いていると、あなたが保有する物件は収益が得られない物件とみなされてしまう、というわけです。
家賃の設定額を下げざるを得なくなったりしますし、物件を売却する際にも影響を及ぼします。
金融機関からの担保評価が低くなる
また、赤字が続くと、あなたが保有する物件は収益が得られない物件とみなされてしまうため、他人からの融資も受けられなくなる可能性もあります。
つまり、次の物件を購入する際に、融資を受けられなくなるなどといった不利を被る可能性が出てきます。
ひいては、あなたが不動産投資を続ける能力を失ってしまう可能性すらあります。
【結論】利回りどころか返済不能リスクも
上に述べたように、赤字を出し続けることによって、家賃収入は下がり物件も高値で売却できず、さらには今後の融資も受けにくくなる、といった負のスパイラルが続きます。
結論として、利回りどころか、場合によっては不動産の物件購入時に組んだローンの返済すら不能になるリスクをはらんでいます。
不動産投資の赤字で困ったときは

以上のように、不動産投資にとっての赤字問題は、非常に大きなものです。
しかし、不動産や経営の知識に長けていない一般の人にとっては、赤字解消のためにやるべきことはわかっていても、実際にどのような行動が効果的なのか、わからないことがほとんどです。
本来は、不動産会社が適切なアドバイスをするべきですが、悪質な不動産会社はこの時、手を差し伸べることはありません。
そこでおすすめなのが、当社団のような調査会社への相談です。当社団にご相談いただければ、不動産投資の赤字問題の解消に向けたお手伝いができます。
まとめ

今回は、不動産投資において、毎月赤字が出てしまう理由や、それを避けるための方法について説明してきました。
また、不動産投資で赤字を出し続けてしまった時に発生する問題や、そのような赤字問題で困った時の対処方法についてもお伝えしました。
不動産投資の赤字問題でお悩みの方は、ぜひ当社団にご相談ください。














