不動産投資は泣き寝入りするしかない?解約/返金方法を解説

低成長な経済状況が続く現在の日本社会においては、貯蓄よりも投資が注目されています。もちろん、投資といってもその対象は様々です。

その中でも不動産投資は、伝統的な投資対象であるとともに、不動産会社からの勧誘もよくされるものであり、投資のなかでも入り口の広いものと言えます。

その一方で、不動産について深い知識がなかったり、投資そのものに慣れていない人を中心に、不動産投資に関するトラブルにあうひとも少なくありません。悪質な不動産会社であれば、こういった人たちを狙った不動産投資詐欺を仕掛けてくるところもあります。

そのような不動産投資に関するトラブルに対しては、泣き寝入りするしかないのでしょうか?

そこで今回は、不動産投資のトラブルに遭遇した時の、解約や返金の方法といった対処方法を中心に解説していきます。

【結論】不動産投資は泣き寝入りするしかない?

結論から言えば、不動産投資に関するトラブルに遭遇した時に、その契約を解約するなどして、返金までこぎつけるのは難しいと言えます。

これは不動産投資に限ったことではありませんが、消費者庁が2021年に実施したある調査では、購入商品や利用サービスでの消費者被害の経験がある人の中で、被害の回復がなかったと答えた人は50.0%にものぼります。

しかし一方でこの調査では、被害回復があったと答えた人が、約35%存在します。つまり被害回復の方法や可能性がゼロではない、というわけです。被害にあった際には泣き寝入りせず、動いてみる価値はあると言えます。

参照:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/research_report/survey_002/assets/survey_002_210721_0005.pdf

【不動産投資】泣き寝入りリスクが高いパターン一覧

ここではまず、不動産投資に関するトラブルに遭遇した時に、泣き寝入りするリスクが高いパターンを紹介します。そのパターンは大きく分けて以下の4つです。

事前説明よりも賃料が安くなってしまった

不動産投資の中でも、家賃収入を軸とするタイプでは、契約して実際に運用を初めてみると、事前説明よりも賃料が安くなってしまい、想定していたよりも低い家賃収入しか得られない、というケースがみられます。

賃料は築年数の経過とともに低下するのが一般的なので、投資してから時間がたつほど家賃収入は減少傾向を見せます。

また、想定していた家賃で借り手がつかなければ、経年変化に関わらず、想定よりも低い家賃で貸すことにもなり、結果、思っていたような家賃収入が得られないこともよくあります。

これらは、不動産会社の見通しが甘いことにも原因がありますが、住宅市場を反映した結果とも言えるため、簡単に解約・返金できるケースとは言えません。

フルローンで購入してしまった

不動産の物件をフルローンで購入してしまった場合、元の購入金額そのままの返金は望めないと考えるべきです。

不動産とは(特に建物物件は)基本的には、長期保有をすればするほど値下がりをするものです。フルローンを組んで購入したものを売却するとしても、その購入時の金額以上の額で売れることは稀です。

かつての高度経済成長期の日本であれば、土地の値段が高騰する未来も描けましたが、低成長期の現在においては、高騰していくような土地はあまり考えられません。

売るにしても、差額を自己資金で補填する必要があるケースもみられます。

住宅ローンを悪用して投資物件を購入してしまった

これは、悪質な不動産投資詐欺のケースに該当します。

悪質な不動産会社は、銀行が設定する住宅ローンを悪用して被害者に投資物件を購入させるケースがあります。つまり、銀行をだました形で融資を受けているケース、というわけです。

このケースでは「フラット35の不正融資」がよく知られています。フラット35は、自己や親族の住宅の購入にしか使えない融資制度なのですが、虚偽の申告をすることで投資用の物件に対して利用する、というものです。

このような場合、家賃の収入減少などの際に、銀行側に融資の条件変更を申し出ることもできません。

また、過去の悪質なケースとしては、銀行も結託して本来ならば通らないような審査も通して、被害者に投資物件を購入させ、破綻を招いたものもありました。

営業担当との「情」だけで購入してしまった

不動産投資に慣れない人にありがちですが、不動産業者の営業担当者の粘りに耐えかねて、断り切れずに判を押すケースも、不動産投資の現場ではよくみられます。地縁・血縁などが絡んでくるとなおさらです。

不動産をこのような形で購入した場合、利益を得られるような投資にならないことがほとんどです。加えて、そのような「情」で購入してしまったものは、解約し難いのも人情です。結果として、その不動産投資によって失った金額を取り戻すことは困難なものとなります。

【泣き寝入り回避】不動産投資を解約/返金する方法

まず、契約取引の中には、クーリングオフ期間が設定されているものがあります。宅地建物取引にも、クーリングオフ対象のものもあります。可能ならば、これを活用するのもひとつの方法です。

また、その不動産投資が詐欺的なものであれば、その詐欺の手法に応じて、各種救済法を活用する手もあります。例えば、不動産投資を絡めた振り込め詐欺であれば、振り込め詐欺救済法を活用する、といったようにです。また裁判はお金もかかるのでやりたくない、というのであれば、ADR(裁判外紛争解決手続)の活用も考えられます。

もちろん、訴訟に持ち込むという手もあります。ここでも、消費者団体訴訟制度や少額訴訟手続の活用が考えられます。また、集団訴訟に加わるという手もあります。

ではこれら以外に、不本意な不動産投資に泣き寝入りせずに、解約・返金する方法はあるのでしょうか? 以下ではそれをみていきます。

物件を売却する

まず1つめとして、物件を売却する、という手があります。

しかし、上で述べたように、物件を購入時よりも売却額が上がることはまれです。また、悪質な不動産屋が売りつけた物件の場合、売ることもできないような無価値もしくは低価値であるケースも多く、まず売却自体ができないことも十分考えられます。

不動産会社と交渉する

2つめとしては、その不動産投資を持ちかけてきた不動産会社と交渉をする、というものです。

しかし、これも不動産についての知識があまりない一般の人にとっては、かなり難易度の高い方法です。不動産会社としては、いったん売りつけたものを、売った時と同じ価格で買い取ることは考えにくいです。

また、悪質な不動産会社の場合、交渉を持とうとする前に計画的に倒産させていたり、交渉しようにも連絡がつかなかったりするケースもよくみられます。

【おすすめ】専門会社に依頼して解約の道を探る

そこでおすすめなのが、専門の調査会社に依頼して解約の道を探る、というものです。

専門の調査会社ならば、素人には、所有物件(投資商品)の価値の算定や、発生している問題の要点まとめ、詐欺的な案件なのかどうかの調査などといった、不動産投資トラブルに関する様々なことを、専門知識を持って調査し、その結果を依頼者に返すことができます。

これをもとにすることで、弁護士や警察に相談しにいったり、不動産会社と交渉するなど、解約・返金への具体的な道を探ることができます。

当社団に相談いただければ、不動産投資トラブルの現状把握を補助するところから、サポートできます。

まとめ

今回は、不動産投資のトラブルに遭遇した時の、解約や返金の方法といった対処方法を中心に解説してきました。

そして、ケースによっては解約・返金が難しいことや、解約・返金に向けた具体的な方法について、述べてきました。

万が一、不動産投資トラブルにあった際には、当社団にご相談いただければ、トラブルの状況把握を補助するところから、サポートできます。ぜひご相談ください。

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