
詐欺には様々な手口が存在します。
その中でも、不動産投資詐欺と呼ばれるものは伝統的な詐欺の手法であるとともに、時代によって、その手口が様々に変化し続けているものでもあります。
そのような性質を持っていることから、まず不動産投資詐欺について対策を立てるためには、最新の手口を知っておくことがとても重要になります。
そこで今回は、不動産投資詐欺の最新手口を6つ紹介するとともに、そういった不動産投資詐欺に共通する見分け方や、不動産投資詐欺からの被害回復の方法について解説していきます。
不動産投資詐欺6つの最新手口

不動産は伝統的に詐欺の題材になりやすいものです。その詐欺の手口は多種多様ですが、対策を立てられれば、さらにそれを上回るように手口も変化していきます。また、社会経済状況の変化により、流行の詐欺の手口も変わっていきます。
ここでは、本稿執筆時点(2022年7月)で注目される不動産投資詐欺の中から6つを選び、その最新の手口を紹介します。
不正融資
不動産投資においては不動産会社だけでなく金融機関との関係は非常に重要です。
しかし時には、その金融機関の不正融資が常態化することがあります。その結果、不動産投資会社が、その問題から派生するように、不正な契約や詐欺を働くケースがあります。
このようなケースとしては過去に「かぼちゃの馬車事件」と呼ばれるものがよく知られています。
サブリース詐欺
サブリースとは家賃保証のことです。
この家賃保証をうたい、マンションなどの物件を購入させるタイプの詐欺をサブリース詐欺と言います。
よくあるケースとしては、最初の数回(悪質の場合は最初の1ヶ月のみ)の家賃は契約者に届くものの、その後入金がなくなり、気づいたら不動産屋ごと連絡不能になる、というものです。
利回り詐称
不動産投資における利回りを、実際より好条件で伝えているという「利回り詐称」と呼ばれるケースもみられます。
対象が不動産であっても投資のポイントはこの利回りです。これを詐称することで、本来は購入を考えないような投資商品を買わせる、というものです。
海外不動産投資詐欺
不動産投資は、実際の相場や不動産の専門知識がないと実際には難しいものです。
その中でも、物件として海外の不動産を用いたタイプの不動産投資詐欺が存在します。
国内のことであれば、多少の専門知識や土地勘などがあれば対処できますが、海外の物件のこととなると情報収集が難しいことなどあり、詐欺にかかりやすくなる傾向があります。
手付金詐欺
手付け詐欺は、高価値ゆえに多くの人がその物件を欲しがっている、という風に仕立て上げ、それを抑えるために必要な手付金と称して、金銭を騙し取る、というタイプの詐欺です。多くの場合は、手付金だけもらっておいて、連絡不能になります。
また、地面師詐欺と呼ばれるものもあります。これは、地主を偽って不動産を購入させる詐欺のことです。実際の所有者は別なので当然所有権は手に入りません。
デート詐欺
デート詐欺は、いわゆる婚活アプリや、婚活パーティーといった場で展開されるタイプの詐欺です。
そのような場で、異性からデートに誘い出し、そのデートにおいて不動産投資を持ちかけ、詐欺まがいの不動産を購入させるという手口がよくみられます。
時には、異性と一対一ではなく、協力者を途中から呼びだし、契約を迫るタイプの詐欺もみられます。
不動産詐欺を見抜く3つの方法

様々な手口が存在する不動産投資詐欺ですが、それらにはある程度共通した特徴があります。
そしてそれは、不動産投資詐欺を見抜くためのポイントともなります。
ここでは、その中から特に特徴的なポイントを3つ紹介していきます。
デメリットを言わない
購入対象・投資対象の不動産物件には、どんなものであれ、多かれ少なかれメリットとともにデメリットもあります。
また、購入者の条件によっては、向き・不向きも必ずあります。
しかし、不動産詐欺を仕掛けてくる側は、とにかく金銭を確保したいがために、メリットだけを伝える傾向にあります。
デメリットを言わない場合には要注意です。
購入を急かしてくる
詐欺の共通構造としては、無価値もしくはほとんど価値のないものに、高い価値があると見せかけて、高額な金銭を騙し取る、というものがあります。
不動産は詳しい知識がないとこの詐術に引っかかりやすいものですが、それでも土地の価格やサービスの内容などを時間をかけて検討すれば、見抜ける可能性があります。
そこで悪質な業者は、「人気の物件である」「購入できる枠があとわずかしかない」などと理由をつけて、購入を急かしてきます。詐欺の可能性が非常に高いといえます。
専門用語ばかりをつかって説明する
これも様々な詐欺に共通することですが、専門用語や耳慣れないカタカナ用語をやたらと使って説明し、詐欺にかけようとする人を誤魔化そうとする傾向があります。
専門用語ばかり使うことで、怪しい点をごまかすこともできますし、定義があやふやの言葉であれば、後々詐欺でないかと追求された時の言い訳も可能です。仮にそういった専門用語の意味を聞いても、わかりやすい説明はしてくれません。
業者の使う言葉には注意しましょう。
【徹底解説】不動産詐欺の被害回復方法

万が一、不動産詐欺の被害に遭ってしまったら、出来るだけ早急にその被害からの回復を図る必要があります。
しかし、ほとんどの人々にとって、詐欺にあった時の対応方法は、経験のないものです。
ここでは、不動産詐欺の被害に遭った時の相談先を3つ紹介します。
国民生活センターに相談
まず1つめの相談先として、国民生活センターがあります。
国民生活センターとは、独立行政法人国民生活センター法に基づき設置された、日本の独立行政法人であり、所轄官庁は消費者庁です。
国民生活センターの公式サイトでは、詐欺の相談事例も掲載しており、また「消費者ホットライン」を通して随時相談を受け付けています。
しかし、国民生活センターはあくまで相談の受け付けであり、すぐに被害回復できる訳ではないことに、注意が必要です。
警察に相談
2つめは警察です。
警察に相談を持ちかけ、被害届を提出し受理してもらうことによって、詐欺事件として捜査が開始されるきっかけとなります。被害回復のために警察への相談は大変重要です。
しかし、警察は原則的に民事不介入であり、明確な犯罪行為がない限り、契約当事者間(この場合、不動産業者と被害者間)で合意した内容について、警察が介入することは原則的にできません。
加えて、詐欺は「明確な犯罪行為」であると立証することが困難な犯罪に属します。こういったことから、不動産投資詐欺案件では、被害届を受理してもらえないケースも見られます。
弁護士に相談
そして、3つめは弁護士が挙げられます。
弁護士の中には、不動産投資詐欺の相談を無料で受け付けてくれる人もいますし、被害者の代理として、被害回復に向けて必要な手続きを行なったり、警察への相談に同席したりしてくれます。
しかし、そのためにはまず、詐欺被害の状況や事情を説明する必要がありますが、一般的に詐欺被害にあった直後は、被害者自身も事情を把握しきれていないものであり、うまくできるとは限りません。
また、事情説明のための詐欺の証拠集めなども困難です。不動産投資自体に慣れていなければなおさらです。
そこで、弁護士に相談する前に調査会社に相談することをおすすめします。当社団にご相談いただければ、不動産投資詐欺の証拠集めを補助するところから、サポートできます。
まとめ

今回は、不動産投資詐欺の最新手口を6つ紹介するとともに、そういった不動産投資詐欺に共通する見分け方や、不動産投資詐欺からの被害回復の方法について解説してきました。
不動産投資詐欺の相談先として、警察や弁護士なども考えられますが、まず、調査機関に相談することをおすすめします。
万が一、不動産投資詐欺の被害にあった際には、当社団にご相談いただければ、不動産投資詐欺の証拠集めを補助するところから、サポートできます。ぜひご相談ください。














